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The Weeknd、『Dawn FM』をリリース。リリースパーティーで魅せた時代の「夜明け」

The Weeknd(ザ・ウィークエンド)が、現地時間1月7日、通算5枚目となる新アルバム『Dawn FM』をリリースしている。

 

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The Weeknd - Dawn FM

 

The Weekndは、同作のリリースに合わせ、Amazon Musicとコラボして生配信のリリースパーティーを開催している。

 

また、同アルバムより"Sacrifice"のMVも、YouTube上で公開している。

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本作は架空のラジオ局『Dawn FM』をテーマとしている。

ラジオDJを務めるのはJim Carrey(ジム・キャリー)だ。

 

ラジオ局について、The Weekndは「あなたを光の中に導いてくれます...完全に飲み込まれるまで」と語っており、パンデミックの暗い時代からの"夜明け"を象徴するような作品となっている。

 

『Dawn FM』は、共同プロデューサーにMax Martin(マックス・マーティン)とOneohtrix Point Never(ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー)を迎え、Lil Wayne(リル・ウェイン)やTyler, The Creator(タイラー・ザ・クリエイター)らとのフィーチャリング、Jim CarreyやQuincy Jones(クインシー・ジョーンズ)らのインタールードが相まって、歌詞の深さとは裏腹に、オールナイトダンスパーティーのようなアルバムに仕上がっている。The Weekndの持ち味であるパンチとセクシーさを保ちつつよく仕上げられているアルバムといえよう。

 

最近の(特にヒットしているアーティストの)ポップ・アルバムの中では珍しく、アルバムを通じて曲間がシームレスであり、リスナーは順番に聴いていくことを期待されている。

 

『Dawn FM』に収録された16曲のほとんどは、きらびやかなシンセサイザーで構成されており、ニューウェーブ、ライトR&Bへの愛を感じさせ、またメロディについても才能を遺憾なく発揮していることがわかる。テーマとしては「後悔と怨念からの脱却」が軸になっている。

 

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1. Dawn FM

このタイトル曲では、Depeche Modeのようなシンセサイザーサウンドが鳴り響きながら、Jim Carreyがリスナーに以下のように語りかけている。

You've been in the dark for way too long
It's time to walk into the light

(あなたたちはあまりにも長い間、暗闇の中にいました

今こそ光の中へ歩む時です)

 

Scared? Don't worry
We'll be there to hold your hand and guide you through this painless transition

(怖いですか?大丈夫です

私たちはあなたの手を取り、この痛みを伴わない移行を導くでしょう)

 

2. Gasoline

リスナーをユーロ・ディスコに誘うThe Weekndは、ブリティッシュ・アクセントで歌い("It's 5 a.m., I'm high again and you can see that I'm in pain")、サビではおなじみの甘いボーカルが炸裂する("And if I finally die in peace, just wrap my body in these sheets")。これはThe Weekndの、薬物問題における自身の不安定な気持ちを歌っているものである。

 

3. How Do I Make You Love Me? 

Micheal Jackson(マイケル・ジャクソン)の "Wanna Be Startin' Somethin'"のスリリングなリズムが曲を彩る。

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4. Take My Breath

昨年8月9日にリリースされた同曲のエクステンデッド・ヴァージョンである。

 

5. Sacrifise

Alicia Myers(アリシア・マイヤーズ)の1982年のR&Bトラック "I Want to Thank You" からファンキーなギターループを取り出し、重ね録られたボーカルとすばらしいキーチェンジで構成されている。

 

6. A Tale By Quincy

音楽プロデューサーQuincy Jonesが、母親が拘束衣で連れ去られるのを目の当たりにしたという幼少期のトラウマと、それが生涯を通じて人間関係に及ぼした影響を語っている。

 

7. Out of Time
この曲では、The Weeknd自身の心の問題を掘り下げている。スムーズでレトロなグルーヴを持つきらびやかなメロディーに乗せて、「僕は、自分を愛してくれる人たちにとても冷たかったんだ」と歌う。

これには、亜蘭知子が1983年にリリースした"Midnight Pretenders"がサンプリングされている。

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8. Here We Go...Again
The Weekndはこの曲で、自分の心を傷つけるとわかっている相手を好きになることに葛藤している。("When I make her laugh, swear it cures my depressing thoughts")そこにTyler, The Creatorが登場し、「婚前契約書にサインを」と警告する。("You gone sign this prenup ")

Beach Boys(ビーチ・ボーイズ)のBruce Johnston(ブルース・ジョンストン)と、Mike Love(マイク・ラヴ)の息子Christian Love(クリスチャン・ラヴ)のヴォーカルをバックに、The Weekndのハイトーン・ヴォイスは、恋愛感情のもつれを描きながらも純粋で完璧な形をとっている。

 

13. Don't Break My Heart
"Don't let me down" と "I don't know if I can take it anymore" がコーラスのほとんどを占めているが、単純なラインでさえも深みを与えている。ローラースケート場のネオンに照らされているようなエネルギーで始まるこの曲は、シンセサイザーを何層にも重ねながら、その威厳を増していく。

 

15. Less Than Zero
推進力のあるビートと音階を登るキーボード音で飾られ、ザ・ウィークエンドが「頭から離れない( "I can't get it out of my head ")」と、文字通り頭から離れないコーラスに入る。この曲は自滅に悩まされるロマンス("Now you'd rather leave me/Than to watch me die in your arms")を指している。

 

16. Phantom Regret by Jim

The Weekndの友人でもあるJim Carreyが、アルバムの締めくくりのこの曲で、以下のように朗読している。

God knows life is chaos, but He made one thing true

(神は人生が混沌としていることを知っているが、1つ真実を与えている)

You gotta unwind your mind, train your soul to align
And dance 'til you find that divine boogaloo

(心を解き放ち、魂を整え、神のブーガルーが見つかるまで踊らなければならない*)

*「神のブーガルー」とは、一種の陶酔状態、あるいは涅槃に達すること(?)

The Weekndは、Jim Carreyの出演する『マスク』が最初の映画館体験だったと今週初めのプレスコールで語っている。

 

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The Weekndは以前、Max Martinと仕事をすることに難色を示していたが、2015年にともに仕事をして以降、The Weekndの各アルバムの曲をプロデュースするようになっている。『Dawn FM』では、アルバム全16曲中15曲に貢献しているという。

またほかにも、Ariana Grande(アリアナ・グランデ)のアルバム『Positions』や『Thank U, Next』などに携わり、過去に多くのクレジットがあるTBHits、Calvin Harris(カルヴィン・ハリス、"I Heard You're Married"に参加)らがかかわっている。

Max Martinと頻繁にコラボレーションするOscar Holter(オスカー・ホルター)は、『After Hours』のヒット曲"Blining Lights"や"Hardest to Love"、"Save Your Tears"で共同制作しており、今回の16トラック中12トラックに参加しているという。

 

Oneohtrix Point Neverも、『Dawn FM』では、3曲を除くすべてのトラックにクレジットされている。2015年の『Garden of Delete』を手がけた実験的な作曲家OPNと、過去25年間の大ヒット曲を生み出したトップ40の魔術師とのフィーチャリングは、オーディエンスを楽しませる、それと同時に挑戦したい、というThe Weekndの2つの野心を結晶化させる、今作は誕生したといえよう。

 

アルバムはこちら。

open.spotify.com

 

The Weeknd プロフィール: 

ザ・ウィークエンド(英語: The Weeknd)、本名:エイベル・マッコネン・テスファイ(英語: Abel Makkonen Tesfaye、1990年2月16日 - )は、カナダ・スカーバロー出身のシンガーソングライター、音楽プロデューサー。

フランク・オーシャンやミゲルらと共に、コンテンポラリーR&Bの新しいスタイル『オルタナティブR&B』を確立したとされる。官能的な歌声と、トリップ・ホップやアンビエントダブステップ、チルウェイヴといった異なるジャンルの要素を感じさせるミステリアスなサウンドを特徴とする。

グラミー賞』3回受賞(10回ノミネート)。

- ザ・ウィークエンド - Wikipedia

 

 

参考記事:

The Weeknd hosts a party in purgatory on 'Dawn FM'. Somehow, it works

The Weeknd, 'Dawn FM': Guests, Producers, Lyrics, Themes - Rolling Stone

The Weeknd - Dawn FM Lyrics and Tracklist | Genius