2月11日リリースの注目アルバムまとめ
3連休、いかがお過ごしでしょうか?
以下、2月11日にリリースされた注目アルバムまとめです。
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- Big Thief(ビッグ・シーフ) 『Dragon New Warm Mountain I Believe in You』
- Spoon(スプーン) 『Lucifer On The Sofa』
- alt-J(アルト・ジェイ) 『The Dream』
- Shamir(シャミール) 『Heterosexuality』
- Foxes(フォクシーズ) 『The Kick』
- Raveena(ラヴィーナ) 『Asha’s Awakening』
Big Thief(ビッグ・シーフ) 『Dragon New Warm Mountain I Believe in You』
NYのインディーロックバンド、Big Thiefの通算5枚目となるアルバム。
20曲入っている大作となっており、以前に出しているアルバムよりもさらに叙情的で、豊富なアイデアが詰まった作品となっているようである。本作は、キャッツキル、トパンガキャニオン、コロラドロッキー、アリゾナ州ツーソンの4カ所で約半年かけて録音されており、各スタジオから取り入れられた音色が並べられることで、ひろく普遍的な雰囲気を生み出しつつも寓話のようなテイストが奏でられている。
Spoon(スプーン) 『Lucifer On The Sofa』
テキサスのインディーロック・バンド、Spoonの10枚目となる新作。
『Lucifer On The Sofa』は、バンドがこれまでで最も集中してソングライティングに取り組んだ作品のひとつである。ピアノを散りばめたバラード曲 "My Babe"、はずむフック曲 "The Devil & Mr. Jones"、メロディアスなアートロック・ワルツ "Satellite "など、すべてのサウンドが意図的に置かれ構成されている。
本作のリード・シングル"The Hardest Cut"のリリースに際し、リード・ヴォーカルのBritt Daniel は、2018年から2019年にかけてかなりの時間をZZ Topを聴いて過ごしたと語っている。そして、このアルバムについて「エリック・クラプトンを決して理解できない男が書いたクラシックロックの音」とも話している。
alt-J(アルト・ジェイ) 『The Dream』
ロンドンを拠点とするトリオ・ロックバンドの、通算4作目となるアルバム。
本作では、alt-Jが「自分たちの音楽の中に、暗闇の中に光が差し込むような小さな亀裂を探し始めた」という感覚を伝えているという。暗号通貨にインスパイアされた風刺的なバップ"Hard Drive Gold"は、鍵盤が弾けるグルーヴと滑らかなハンドクラップで伸びやかに展開し、緊張感と脈動のある"Chicago"ではストリングスがたなびき、アドレナリンに満ちたハイな気分にさせる。ほかにもバロック・ポップのオペラ組曲"Philadelphia"、ゴスペルに影響を受けた"Delta"、間奏曲の"forcefields in the delta"などが含まれており、いままでのジャンルを超えた実験的なアルバムとなっている。
Shamir(シャミール) 『Heterosexuality』
LA出身のSSWであるShamirの、8枚目となるアルバム。
Shamirは2015年にデビュー・アルバム『Ratchet』でブレイクしたマルチ・インストゥルメンタリストだが、そのあとすぐに作り上げたサウンドに別れを告げている。当時のレーベルであるXLとの激動の別れ、そして精神状態の葛藤を経て、4年間で6枚のスタジオ・アルバムをリリースしており、本作『Heterosexuality』では初めて自身のクィアネスを掘り下げている。
アルバム全体を通じて、インダストリアルなトーンのオープニングから、セクシーなR&Bやインディー・ギターへと変化し、そして感情的なファルセットによってすべてがまとめられる。このアルバムでは、時代遅れの期待を超えた痛烈なメッセージが込められている。
Foxes(フォクシーズ) 『The Kick』
サウサンプトン出身のSSW、Foxesの通算3作目となるアルバム。
2016年リリースの前作『All I Need』から6年経てリリースされた本作は、Zoomを使って作曲・録音が行われているといい、パンデミックの中でも多幸感に満ちたポップアンセムが収録されている。
Raveena(ラヴィーナ) 『Asha’s Awakening』
NYを拠点に活動するインド系アメリカ人SSW、Raveenaのセカンド・アルバム。
Vince Staples、LAのSSW・プロデューサーTweaksのほか、インドの往年のSSW・プロデューサーであるAsha Puthliともコラボしている。
本作では、インドのパーカッションサンプルを使った実験的なサウンドから、00年代初期のヒップホップ・R&Bなど幅広いサウンドが取り入れられており、東洋のスピリチュアルなものに対する西洋のアティテュードの探求を感じさせる。アルバムの最後には、"Let Your Breath Become a Flower"という13分間の「ガイド付き瞑想」が収録されており、Raveenaの存在感を強調している。